不思議の国の短期アルバイター


「これ、なんですか?」

目に止まったのは甘く、シナモンのような馴染のある香りをさせた物だった。


「夢リンゴパイだよ」


「おお、なんとかわいい名前…3つください」


「まいど!あれ?お客さん…このお金使えないよ」


「え?そうなの?」

まいったな、日本円じゃ買えないのか…


「そうなると…物々交換とかは?」


「うぇー…私特に何もないよ」


貰ったものをさらに渡すのは少し気が引けた。折角くれた人達にも悪いし。
 

「じゃ、これで」


冗談のつもりで胸ポケットにささっていたボールペンを差し出してみた。


ボールペンでケーキが買えたら…わらしべ長者どころの騒ぎじゃないでしょ。