体にまとわりつくような真っ暗な闇。
音もせず、まわりは何もない。
足場があるわけではないのにそこに立っている。
とても不思議な空間。
だんだん目が慣れてきたのか自分とウサギだけは確認できて安心する。
「汝の右手には光を宿し左には紛うことのなき櫂を間に惑いし者を導き給え」
「ナニソレ、めっちゃ厨ニくさい」
「現実逃避をおやめください」
そんな私を見てため息を付いているのが先程からちょいちょいと口を挟んでくるファンシーな生物。
後ろから抱き寄せてモフモフする。
「うふふーええじゃないかー」
「ちょっ…」
「…」
「怖いですか?」
「ちょっとだけね…」
気丈に振舞っていたものの、やはり怖い。
この謎空間や、これから先どこに連れて行かれるのか。
不確定要素や、わからないことが多すぎる。
「…」
無心でウサギの心臓がトクトクと刻む音や、ぬくもりを一人ではないことを確かめるように抱き寄せる。

