「好き」という感情が溢れて、全身が痺れる。
肌や指先まで、ビリビリと。
彼が私のためになにかをしてくれることが嬉しくて、幸せで。
胸が詰まる感じがするのに、全然苦痛ではなくて。
彼は重力とは違う不思議な引力を有していて、全身を惹き付けられている。
少しでも気を抜くと、無意識に抱きついてしまいそう。
「ありがとう。嬉しい。堤さんって、やっぱ優しいね」
「苦労してオリオンのフローリングシートかき集めたし、フェアがコケたら俺が困るんだよ」
この間のケーキのときもそうだったけど、今さらそんなふうに言ったって、“なんだ自分のためかよ”なんて思えないのに。
「わかったら、行くぞ」
ちょっとぶっきらぼうになった彼の甘い顔。
堤さんは、自分で人のことを言う分には多少恥ずかしく感じる言葉でも堂々と言うくせに、自分が褒められると弱い。
そんなところが、いっそう愛しい。
「うん」
先に歩きだした彼を追う足取りが不思議なほどに軽い。
私はもうこのまま、ふわっと飛んでしまえるんじゃないかと思った。



