恋愛じかけの業務外取引





雑誌の取材終了後、電車に乗ったところで携帯をチェックした。

LINEの受信通知が4件あり、弟のアキから1件、妹のユリから2件。

そしてもう1件が堤さんからのメッセージだった。

【あさって履くパンツがない】

はぁ?

なんだよパンツって。

明日の分があるなら今日中に自分で洗えよ。

……と思っても言う資格がないのが今の私である。

【わかりました。今夜仕事が終わり次第うかがいます】

返信。

それがすぐに既読になって、ふざけたスタンプで返ってくる。

先日はリクエスト通りに作ったカレーを『普通』と言われて『次は普通とは違うカレーを作ってみせます』と言ってしまった。

ユリにアイデアをもらって、普通ではないカレーのネタもバッチリ仕入れている。

残った野菜が痛む前に使ってしまいたいし、今日さっそくリベンジしてもいいかも。

私の拳のアザはすっかり消えてしまったが、彼の顔のアザは完治までもうしばらくかかりそうだった。

たっぷり食べて、いい栄養をたくさん摂取して、早く治してもらいたい。

彼の頬のアザを見るたびに申し訳ない気持ちで胸が重くなる。

アザがキレイに治れば、少しは心が晴れるだろうか。