忘年会を抜け、落ち着いた先は堤さんの自宅だった。
訪れたのは1週間ぶりだ。
取引が終了したのは2週間ほど前だし、家事で言えば私は1ヶ月程度手を付けていない。
しかし、洗濯物とビールの空き缶が溜まっているくらいで、いつかのように足の踏み場もないほど散らかったりはしていない。
初期のあの散らかりようはなんだったのだ。
そんな疑問を抱きつつ、自宅のものより使い慣れたキッチンでキャラメルフレーバーのルイボスティーを淹れた。
いつものように、長方形のテーブルの長辺の真ん中に彼のカップを。
そして短辺の真ん中に私のカップを置く。
私がいつもの場所に座ると、彼は不服そうに頬を膨らませた。
「どうしたの?」
私が尋ねると、彼は呆れたようにため息をつき、がっくり肩を落とした。
「俺たち、ようやく恋人同士になれたわけですよね?」
「そうですね」
恋人同士、か。
言葉で聞いたことにより、やっと私の恋が成就したことをしみじみ実感してくる。
「だったら、せめて隣に座ってくれませんかね」
ポンポンと、彼が自分が座っている横を叩く。
今日はやけに隙間を空けたところに座ったなと思っていたけれど、私のスペースだったようだ。
「じゃあ、遠慮なく」
そう言って、彼の横に移動する。
すぐに彼の腕が私の肩を捕らえ、引き寄せる。
そんな私たちの姿が、消えたテレビの黒い画面に反射している。



