恋愛じかけの業務外取引


今回ってことは、次回があるの?

こちらの不安を煽るだけ煽りやがって。

もしかして、これは上島の作戦なのだろうか。

だとしたらたしかに『成長』しているのかもしれない。

以前は私の感情を操るような小細工ができるタマじゃなかった。

「どうしてこのタイミングなの?」

別れてから3年。

何度も顔を合わせる機会があったけれど、こんなことはなかったのに。

私の問いに、上島は即答した。

『マヤさんが、見違えるくらいキレイになってたから』

「は……はぁ?」

予想だにしなかった言葉に面食らう。

キレイだなんて、付き合ってるときにだって言ってくれたことなかったくせに。

『ほんとだよ。この間の打ち合わせで久しぶりに会ったとき、ビックリした』

「私、別になにも変わってないのに」

服のテイストも髪型もメイクも、3年前とほとんど変わっていない。

強いて言えば、先月下着を一式買い替えたくらいだ。

『さっきの話を聞いて合点がいったよ。恋する女性は本当にキレイになるんだね』

たしかに恋をしているけれど、キレイになった自覚はない。

言葉を素直に受け取れない私は軽口でしか返せない。

「バカにしてんの?」

『口説いてるんだよ。そこは素直にときめいてほしいんだけど』

「やだよ。私、今さらよりを戻す気ないし」

上島がなにを言ったって、私が今好きなのは堤さんだ。