「ちゃんと反応して。どこがイイのか、俺に教えて」
「恥ずかしいよ」
「俺が触るとこ、ちゃんと全部気持ちいい?」
「うん。私は大丈夫だから、好きにして」
「はぁ……かわいい。やっぱりマヤは世界一かわいい」
意地悪するのが好きなくせに、こんなときに優しいなんて反則だ。
幸福を感じてもっともっと好きになっていく。
仕事は細かいくせに、オフではズボラ。
典型的な優男の顔をしているくせに筋肉質。
意地悪するくせに、本当はとても優しい。
彼のギャップは裏表ではなく、人としての幅の広さであり、魅力だ。
「堤さんも、世界一カッコいい」
私がそう告げると、彼は少し照れつつ、でもちょっと困ったような顔で微笑んだ。
与えられ続けた快感に、私の心と体はぐずぐずに解かされている。
そして待望の、彼とひとつになる瞬間。
彼はたった一度だけ、聞こえるか聞こえないかの小さな声で、呟くように言ってくれた。
「俺も好きだよ」
こんな大事な言葉を聞き逃すわけがない。
私は嬉しくて、幸せで、おまけに意識が飛びそうなくらいに気持ちよくて。
うわごとのように何度も「好き」と気持ちを口に出しながら、この腕に彼を閉じ込めようと、力の限り抱きしめた。
さっき聞いた『俺も好きだよ』がベッドの上だけの言葉にならないよう、溢れてやまないこの気持ちを全身で伝え続けた。



