真剣な告白だったのに、ふざけて返されてカチンと来た。
こんなときにこんなところで負けず嫌いの姉御スイッチが入るなんて、どうかしてる。
だけど私はどうにも腹立たしくて愛しくて、この男をどうにか手に入れたくて。
エアコンを切ったばかりのまだ温かい部屋で、私は着ていた部屋着のトップスを1枚脱いだ。
堤さんは一瞬狼狽の表情を見せたが、まだブラトップのキャミソールを身に着けていることがわかり、安堵したように眉を下げる。
「この体なら、いつだって差し出せる」
言い切ってベッドに飛び乗った。
今日は私が彼を跨ぐ。
「うわ、それはグッとくるね」
これでもまだおもしろがるように笑っている。
さっきはちょっとうろたえたくせに。
悔しい。もっとその余裕を崩したい。
両肘を彼の頭部の横に着き、無理やり強く口づけた。
いつもは彼にやられてばかりだったけれど、今日は、私が。
彼が私にしたみたいに、彼の舌を追って、吸って、撫で、息が上がったところで焦らすように耳や首へと逸らす。
「ん……おいっ!」
堤さんが私の両肩を押し、私の暴走を抑えようとする。
色に染まっている彼の顔が見えると、腹の底の方からじくじくと喜びが込み上げてきた。
しかしもどかしさにいら立つ。
「なによ」
「ちょっと待て。俺まだなにも……」
「ごちゃごちゃうるさい。煽ったり抑えたり、さっきからなんなの」
肩に添えられた手が、軽く力んだのを感じた。
「私としたいの? したくないの?」



