恋愛じかけの業務外取引


上島は美形というほどではないが、タレ目が特徴的なワンコ系爽やかサラリーマンだ。

仕事中のキャラでいえば、堤さんと印象が似ている。

しかし上島は、堤さんとは違ってプライベートでもワンコ系だし、隠れマッチョの堤さんに比べればフィジカルはかなり軟弱だ。

よくも悪くも裏表がない。

入社から5年目の今でも女子社員に「かわいい」「癒される」と評判で、私もかつてはその魅力に胸をときめかせた女のうちのひとりだった。

ちなみに上島との関係は、私の隣の席に座っている斉藤課長しか知らない。

課長は今私が堤さんと付き合っていると思っているようで、この打ち合わせへの参加を打診したときは複雑な表情で承諾していた。

私のプライベートのせいで気まずい思いをさせてしまい、申し訳ない。

「では、残りの商品についてもよろしくお願いします」

「かしこまりました。こちらこそ、今後ともイズミ商事をよろしくお願いします」

ちょっぴり気まずい打ち合わせが、無事に終了。

課長が「堤さんは僕が見送ってくるよ。ちょっと話もあるしね」と言うので、見送りは課長に任せる。

本当はその役をやりたかったが、元カレである上島とふたりでミーティングルームに残る羽目になった。

「マヤさん、久しぶりだね」