恋愛じかけの業務外取引


食器を洗い拭いて片付けてから、洗濯機のスイッチをオン。

ダイニングの隅にある小振りなパソコンデスクに着き、こちらもスイッチオン。

教えてもらったパスワードを入力すると、あっさりログオンが完了する。

個人PCはOfficeを搭載していない場合も多いが、幸運にもこの端末には搭載されている。

デザイン案をまとめる資料を作る際はいつもWordを使っているので、迷いなくWordをダブルクリック。

当然この端末にはいつも使用している素材のデータがないため、イメージに合う画像をウェブから拝借して貼り付ける。

試験管、ビーカー、フラスコ、シャーレ、木製のスタンド。

これらをどう使うのかやデザインのコンセプトと狙いを言葉にして添える。

作成したファイルはいったんこのパソコンに保存。

ウェブで自分のフリーメールにログインし、いったん自分の会社のメールアドレスにデータを送る。

それを持ってきていた社用携帯で受信して、斉藤課長とデザイナーにデータを送信。

週が明けたらデザイナーが簡単なグラフィックを作成してくれるだろう。

――ピー、ピー、ピー

まるで見られていたようにナイスなタイミングで洗濯が終わった。

ランドリースペースでハンガーに掛け、ベランダの物干し竿に干そうと寝室の扉を引くと、堤さんが床に寝転がったまま寝息を立てていた。

どうやらテレビを見ているうちに眠ってしまったようだ。

今日は休みなのに、私の仕事のために一日歩き回ってくれた。

お腹いっぱいご飯を食べたし、眠くなるのも仕方ない。

私は静かに洗濯物を物干し竿にかけ、彼に声をかけた。