あの日、あなたはわたしにこう言ったよね。
『愛する人を失ったその先で、
俺は何のために生きればいいのだろうか』
ねぇ、咲。あなたは、一人じゃない。
わたしがいる。泉吹くんだっているし、………千雪さんだっている。
今ここに、目の前にはいないけど、咲の心のなかにはいる。そうでしょ?
咲が苦しんでるのも辛いってのも、千雪さんは気づいてる。きっと、気づいてる。
千雪さんの代わりはいない。わたしが代わりになれるなんても思ってない。
けど、わたしはあなたの力になりたい。
愛する人を失ったあなたの、心を開ける人になりたい。
思い出も感情も、全てが苦しくて悲しくて切ない。だけどそれは、あなたにとって忘れられないほどの大切なものなんだね。
わたしは、彼の力になれるのかな。

