「ごめんね、アミちゃん。ミネちゃんがきっと待ってるから」
ずっと一緒って約束をしたんだよ。
行くところのないあたしを拾ってくれて、優しくしてくれた。
今はカタセくんがいて、イラつくことも多いけど。ミネちゃんはあたしのこと、絶対にいらないって言わないもん。
「……そうですか」
寂しそうにアミちゃんが笑うから、あたしはもっともっと手を舐めた。
アミちゃんのことも大好きなんだよ。でもね、アミちゃんは友達だけど、ミネちゃんはもう、家族なんだもん。
その時、突然おひげがむずむずってした。
その途端にまた目の前がぐるぐる回りだす。
「モカちゃん?」
変化を感じ取ったアミちゃんが、私を抱こうと手を伸ばした。
でも触れない。目の前がぐるぐると回り始める。
アミちゃんの白い肌、茶色の髪、黒い瞳。
ぐるぐる、ぐるぐる。
まるでママの三毛の色。あ、そうか。こんなところに居たんだね、ママ。
「……ママ」
「モカちゃん、ちゃんとミネちゃんのところに戻ってくださいね!」
うん。ミネちゃんのこと、ちゃんと元気にさせるからね。
ママも元気でいてよね。
ぐるぐる、ぐるぐる。
目が回るけど、なんかとっても、気持ちいいよう……。



