にゃおん、とお出迎え


アミちゃんはキラキラした目をしながら、あたしを覗き込んでくる。


「ここはカタリ村です。モカちゃん、ようこそ。私の使い魔になってくれませんか?」

「つかいまってなあに? おいしい?」

「食べ物ではないのですよ。私のお手伝いをしてくれませんか? ってことです」

「お手伝い?」


お手伝いか。あたしにできるお手伝いってなんだろう。
よくミネちゃんのお手伝いをするつもりで洗濯物を運んでいくと、キャーって怒られるんだけど。
難しいことじゃないといいなぁ。

それに、あたし、ミネちゃんのところに帰らなきゃ。
ここ、一体どこなんだろう。カタリ村なんて聞いたことないよう。

でも待って。よく考えよう。

あたしはさっきまでお月様をみてて。そうしたらグルグルになったんだから。
これはきっと夢だ。夢の中でお月様の世界に来ちゃったんだ。

なんだぁ。お月様ってこんなに平和そうなところなんだ。

だったら、ここにママがいるかもしれない。夢でもいいから会いたいよう。


「いいよ。その代わり、お手伝いが終わったらあたしのお手伝いもしてね?」


試しにお願いしてみたら、アミちゃんはすぐに笑ってくれた。


「先にモカちゃんのお手伝いをさせてください。終わったら、私のお手伝いでもいいですか」

「いいよう。じゃあね。あたしの話、聞いてくれる?」


ちらりと変なおじさんを見る。どうもこの人が居ると落ち着かないわ。違うところで話したい。