「はじめまして。私はアミです。あなたはお名前はあるのですか?」
さっきまで、言葉がよくわからなかったのに、今度は頭の中に直接響いてくる。
なんで? なんで? まるで魔法でもかかったみたい。
へーんなの。だけど、通じるのは助かるなぁ。
「みゃーお」
アミちゃんっていうのね?
あたしはモカよ。
お返事した瞬間、おひげにビビビってなにか伝わって来た。
何かが変わったみたいで、アミちゃんも不思議そうな顔してる。
「え、えと?」
「ねぇ。ここはどこ? お月様見てただけなのに、どうしてあたしここにいるの? これ夢?」
あれ? あたし、人間の言葉を話してる?
そうかわかった。あなたきっと魔法使いね?
あたしに魔法をかけたんでしょう。
「私、アミです」
「あたしはモカよ。よろしくね。ああでも、ここはいったいどこなんだろう。やっぱり夢かなぁ」
とりあえず、会話が通じるようになったので、あたしたちは自己紹介する。
すごいなぁ。これ、おもしろい。
ミネちゃんとも出来たらいいのにな。あたしはミネちゃんの言葉が分かるけど、ミネちゃんにはいつもちっとも伝わらないんだもん。
おじさんの方が不思議そうな顔をして、首を傾げてる。
試しに、「なあに?」って話しかけてみたけど、反応はない。
もしかして、アミちゃんにしか通じてないのかなぁ。



