ビクッと肩を揺らすわたしを見て小さく笑った。


そんな、からかうみたいな笑みはやめて頂きたいとつくづく思う。



「少し雨宿りしてくか?」


「……雨宿りって、どこで?」


「ここで」


「ここ……?」



不覚にもポカーンと口を開けてしまう。


七瀬先輩が顔を向けたのは学校から10分ほどのところにあるマンションで……。


スライドさせるように目線を上げれば、10階はあるマンションがわたしを見下ろしている。