「莉子……あたし、お先短いかもしれない」 そんな轟先輩に名前を告げてしまったどころか、今度あたしの話を聞かせろって帝王は言ったんだから……。 「中庭は、帝王の昼寝スポットだから近づかないことね?」 「知らなかった……。でも莉子よく知ってるね?」 まだ、高校に入学して半年も経っていない。 「……噂、聞いただけよ」 普段、その手の話には莉子はあまり興味がなさそうなのに。 「とにかく、今の三葉は、四ノ宮を本気で忘れることに集中してればいいのよ」