「やっぱり、綺麗だよ……っ、」 どこまで澄んだ瞳で見つめている莉子が、震える声で呟いたその言葉は、この上なく優しく、風の中を舞う。 「うん。綺麗だね。莉子みたいに………」 「……っ、」 あたしの声に、ハッとして息を呑んだ莉子。 轟先輩のフォームが莉子によく似ていることに、あたしは気づいたよ。 ーーー“帝王って何?” 彼は、一匹狼でも帝王でもない………。 “絶対強者”ーーその言葉は、本当の轟先輩が呼ばれていた言葉だった。