そんなわたしにも、会いたい人が二人いる。
その二人だけは多分信頼出来る。
だけど二人とも、もう会えることは出来ないと思う。



一人目はわたしのお兄ちゃん。
わたしのお兄ちゃんはわたしより3つ上で、優しくて頼れるお兄ちゃんだった。わたしはブラコンなんだろう。小さき時からずっとお兄ちゃんの側にいないと嫌だった。多分お兄ちゃんにとってはしつこいくらいの妹だったと思う。だけどお兄ちゃんはウザがらないでわたしに構ってくれた。わたしが世界で一番大好きだったお兄ちゃん。だからこそ、お兄ちゃんの死なんて受け止めることが出来なかった。



ある夏の日、お兄ちゃんは交通事故にあって、帰らぬ人となった。