校門から出て、通学路を歩く私はふといいことを思いついた。



「ねぇ桜ちゃん、聞いて聞いて」


「んー?」



小学校からずっと一緒の私たちは、付き合いが長いだけ一緒にいて自然体でいられて、かなり仲がいい、と思う。


ちなみに、それだけ友達期間が長いというわけで、彼を恋愛対象として見たことはあまりない。


かっこかわいい桜ちゃんにドキッとすることはあるけれど、それは桜ちゃんがイケメンというだけ。



「あのね、私たち噂によると付き合ってるんだって。知ってた?」



そんな私がこの言葉を言ったのは、桜ちゃんがどんな反応を示すのか見てみたかったからだ。



「………水鈴」



当の桜ちゃんは、特に反応を見せず真顔で私を直視している。



「俺、水鈴のこと好きだよ」


「だよね、面白いよねー……え?」



思っていたものとは全く違う反応に、耳を疑った。



「桜ちゃん、もう一回言って」


「俺、水鈴のこと好き」


「………!」