「う……」



眩しい光に、うっすらと開いた目を細めた。



ここ、どこ……?



白いカーテンが揺れて、木々が生い茂っているのが見える。


右に向いていた頭を少し動かして上を向けば、そこには真っ白な天井。




「……死んだ?」




あまりの白さにいつの間にか自分が死んでしまったんだっけ、と思えてくる。


でも、どうやら違うらしい。


多分ここは保健室なのだろう。


だ生きているという証拠に、手に温かさを感じるから、そうらしい。



頭を左側に動かすと、そこには暖かさの理由がいた。




「さ、くらちゃ……」




そこには、こくりこくりと頭を揺らして目を閉じる桜ちゃんの姿。


私の手を両手で握って、眠そうにしている。


というか、ほぼ寝ている。



ずっと手握ってくれてたのかな。


手に熱がこもっている。




「桜ちゃーん」




少し手を揺らせば、大袈裟なほどにシュバッと背筋を伸ばして私を覗き込んだ。



「水鈴っ!?」


「おはよ」


「………あ」




慌ててしまったことを恥ずかしく感じたのか、桜ちゃんはそっぽを向いてしまった。


かわいいなぁ。……なんちゃって。