「おじゃましますだなんて…!今日からここは君のお家だよ、つぼみちゃん!」
シンさん…。
満面の笑みを私に向けそう言ってくれたシンさんに、心の奥が暖かくなるのを感じた。
「ありがとうございます…!え、えっと…ただいま…」
「ははっ、おかえりなさい。今すぐにとは言わないけれど、私には敬語を取ってくれていいからね」
「本当のお父さんと思ってくれたら嬉しいよ!」と付け加えて、シンさんはもう一度にっこりと微笑んだ。
初めて面会した時、この人にお母さんを任せて大丈夫だろうかと、酷く疑った自分が恥ずかしい。
シンさんならきっと、お母さんを幸せにしてくれるに違いない…。
いつまでも私が余所余所しかったら、2人とも気を遣ってしまうだろう。

