静まらない心臓の音、キツく目を閉じる。
いつまでも目を逸らしていたら不自然だと思われる…そう思い、ちらっと舜君を見る。
舜君は困った顔をしながら、私の顔を覗き込むようにして見てきた。
「いや、俺も悪かった。教室で待っててって言い忘れてたから」
「…え?」
何の、話…?
「帰る場所一緒なんだから、普通一緒に帰るだろ。先帰ってたからマジで焦った」
舜君…もしかして、一緒に帰ってくれるつもりだったの、かな…?
またもや加速を始める心臓の鼓動を無視して、舜君と目を合わせた。
「私と帰るなんて…迷惑かな、と…思って…」
「なんで迷惑なんだよ。1人で帰って危ない目に遭われる方が心臓止まるから。案の定あんな目に遭ってるし…これからは俺が教室まで迎えに行くから、絶対待っとけよ?」
それは…迎えに来てくれる…っていうこと?
どうして…そこまでしてくれるの?
一緒に、住んでるから?
家族になるから?
「いいの?」
人に頼るという行為が、酷く苦手だった。
お父さんはどうしようも無い人で、お母さんは日々仕事に追われ忙しそうだったから。
誰にも甘えちゃいけない。
私は、1人でなんでも出来る子にならないと。
そう思って、今まで過ごしてきた。
なのに…
「俺が1人で帰らせたくないんだよ。第一、電車とか危ないし、1人だったら、今みたいなことだってまたあるかもしれないだろ?」
どうしよう。
舜君といると、甘えたくなってしまうっ…。
頼ってしまいたく、なってしまう…。

