「つぼみ?一回降りるか?」
舜君が、何か言っている。
それはわかるのに、言葉が入ってこない私は、ただただ舜君に抱きついた。
「怖かったな、もう大丈夫だから」
「しゅ、くんっ…舜君っ…」
「〜ッ、俺はちゃんといるから。つぼみ、電車降りるぞ?」
なんとなく言ってる意味がわかったけれど、ただ首を何度も縦に振るだけで、相変わらず舜君に抱きついたまま離れない。
すると、電車の扉が開き、次の瞬間舜君に抱きかかえられた。
舜君は私を抱えたまま、ホームの端の方、ほぼ無人場所にあるベンチへ行くと、私を降ろした。
私を抱きしめる腕が離れて行くのを察し、離れないように強く抱きつく。
「やだっ…舜君っ…」
「〜ッ、わかったから。落ち着くまでこうしてる」
舜君は再び私を抱きしめながら、心地よいテンポで頭を撫でてくれた。
あのまま、舜君が来てくれなかったらどうなっていたかと思うと…
怖くて震えが止まらなくて、吐き気がする。
やっぱり、男の人は怖い…

