鞄を持つ手もプルプル震え、掴んでいるのが精一杯の状態。 「つぼみ、貸して」 鞄を持つ手が離れてしまいそうになった時、舜君が私の鞄を掴んだ。 満員の中、サッと私の鞄を奪い、肩にかけた舜君は、そのまま私の背中に優しく触れ、壁にぴったりと私を移動させてくれる。 そして、私を覆うように壁に手をつき、私が人と当たらないような体勢にしてくれた。 さっきまでの苦しさから抜け出し、随分と楽になった私。