【完】クールな彼とルームシェア♡



それにしても、そんなに凄い人がいたなんて初めて知ったなぁ…。


1年とはいえ、もう2学期も半ばに入った頃。クラスの人とも打ち解け、学園にも馴染んできたと言うのに、自分の無知さを痛感した。


でも、正直話を聞いた後でも王子と呼ばれる人物に興味が持てずにいた。


お父さんの影響で、私は男の人や、恋愛ごとから遠ざかるようになっていたから…。


お父さん……あ、そうだ!!



「ごめんサキちゃん!今日急いで帰らなきゃいけないの!」


「え?ああ、そういえば急いでたわね。何かあるの?」


「引っ越しするって言ってたでしょ?お母さんが迎えに来てるから、今日から新しい家に帰るの!」



帰りの支度を再開し、持って帰るものを急いで手に持つ。



「じゃあまた明日!」とサキちゃんに手を振って、私は慌てて教室を出た。