「全く…ほんとあんたって男に興味無いのね…」
「サキちゃんがありすぎるんだよ…」
「何言ってんの!!この学園じゃ常識中の常識よ!?」
「仕方ないから説明してあげるわ…」と何故かドヤ顔をし、サキちゃんは説明を始めた。
「王子は、首席で入学して、しかもスポーツテストも1位で部活の助っ人でも負けなしでとにかく完璧なの!」
「う、うん…凄いね…」
「もう!リアクション薄い!ルックスも超カッコよくておまけに高身長だしスタイル良いし、付け加えてニコリとも笑わない超クールな性格…はぁ…痺れるッ!」
随分と力の入った演説に、若干引きつり笑いの私は、首をこくこくと縦に振る。
と、とにかく凄い人なのはわかった…。
「本当もう現代に現れた王子様なんだけど、王子ってば女嫌いなんだって…告白すら受けてくれないし、女の子が声かけてもガン無視なのお〜…辛い…」
「だ、大丈夫サキちゃん…?」
「大丈夫じゃないわよ!しかもね!王子女嫌いのくせに好きな子がいるみたいなのよ!しつこく迫った子に言ったみたいなの…『その子しか興味無いから他は絶対無理』…ってええええ!」
がっくりと肩を落とし、本当にこの世の終わりとでも言うかのようなサキちゃんの落ち込みように、「ざ、残念だね…」と慰めの言葉を吐いた。

