こんな屋上に長時間いたから、寒かったか…。



「つぼみ、校舎入ろっか」


「う、うん…っ、え!」



まだ呼吸が整わない様子のつぼみを、抱きかかえた。


世に言う、お姫様抱っこ。



「しゅ、舜君、恥かしいよっ…!」


「大丈夫だって、校舎ん中はほとんど生徒いないだろ?」



もう暗くなってきてるし、残ってるのは部活生くらいだろう。


よっぽど恥かしいのか、顔を真っ赤にして顔を隠しているつぼみ。


…俺はどうやら、照れ顔が好きらしい。