「あ、あの、不味かったら、全然、残していただいて構わないのでっ…!」
「……美味い」
「…え?」
ポソリと呟き、凄いスピードで食べ始めた舜君に驚いて固まる私。
「どれも美味しいよつぼみちゃん…!これから毎日こんな美味しいご飯が食べられるなんて、嬉しいなあ!」
「もう、シンさんったら!よかったわねつぼみ!だらしない私に代わって、つぼみはいつ嫁に出しても恥ずかしくない子に育ったのよお〜、うふふ」
冗談だろう、お母さんが笑顔でそんなことを言って、シンさんも「本当だねえ。舜もつぼみちゃんみたいな子を連れてきてくれたら嬉しい限りだよ」と冗談を返し笑った。
お母さんも吊られて笑う中、舜君が喉を詰まらせたのか噎せたように咳き込む。

