パタリ、と、しまった扉。




「2人でこそこそ何してたの?」



舜君は漸く足を止め、私の方を向いた。



「話、を…」


「なんの話?」



そう聞かれると、返答に困ってしまって口を閉ざす。



「つぼみ、俺には言えない?」



それが逆に怪しまれたようで、私はゆっくりと唇を開いた。



「…告白、されたの」



誤魔化しても仕方ない。

舜君に、嘘はつきたくないもの。


さっきの、コウタさんの瞳を思い出す。


私も、真っ直ぐに舜君と向き合おう。


もう、変なことですれ違ったりしたくない。



「今日も昼、2人で会ってたよな?」



そう思った矢先、舜君から飛び出した言葉。



「えっ…今日はサキちゃんと3人で…「俺、サキとかいう女が職員室の前にいるの見たんだよ」



…職員室?

あ、そっか、サキちゃん呼び出されて…



「それはっ…「なぁ、つぼみ」



説明しようと思ったのに、舜君の声によって阻まれる。



「俺と付き合うの、しんどくないか?」



…え?


突然、どうしたの?



「別れるか、俺たち」



まさかの発言に、頭の中が真っ白になった。