コウタさんが、堪えきれないと言った風に吹き出す。 「ふふっ、はじめまして。2年の西園寺コウタと言います」 「ぞ、存じ上げております…!わ、私は、1年の…」 ーーピーンポーンパーン 言いかけたサキちゃんの声を遮るように、放送の音が鳴った。 『1年B組東サキさん、至急職員室に来て下さい』 私たちの間に、沈黙が流れる。