「同学年に良い男がいないのよ!そこそこ顔良いやつはみんな彼女持ちだし、王子は女嫌いみたいだし…」 「お、王子?」 「…は?あんた知らないの!?」 王子というワードが引っかかり首を傾げた私に、サキちゃんがありえないとでも言うかのような表情をする。 知らないの?って…どういうことだろう? 「我が校の王子よ!1-Aにいるじゃない!完全無欠の完璧王子!高神舜様よ!」 1-A…ということは、隣のクラス。高神…舜さん? 初めて聞く名前に、再び首を傾げれば、今度は溜息をつかれてしまった。