女の子は驚いた後、嬉しそうに頬を緩ませる。
「つぼみ」
いつもの優しいものじゃない声が、私の名前を呼んだ。
「教室を戻れ。もうすぐ授業始まる」
頭をポンっと叩かれ、そう言われた。
まるで、突き放すような冷たさをもった声色。
「舜、君…?…舜君は、戻らないの?」
「俺はちょっとこの子と話してから戻るわ」
…っ。
舜君の言葉に、舜君が好きだと言った女の子は頬をこれでもかと赤らめて舜君を見つめている。
後ろの女の子2人も、「きゃ〜」「頑張れっ!」などと言って、この場から去って行った。
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