なんだか吸い込まれちゃいそうな人だな…と思ったけれど、優しく笑った彼が悪い人には思えなかったから、私も首を縦に振った。 「君、もしかして迷子?」 「あ、えっと…」 この歳で、しかも校内で迷子だなんて恥ずかしい…。 恥ずかしくて、頰が赤く染まる。 「大丈夫だよ。ここ、あまり使われてない棟だし、地図も配置されて無いから良く迷う生徒がいるんだ。僕でよかったら案内させて」 「ありがとうございますっ…!生徒会室に、資料を届けに行きたくて…」 なんて良い人…!よかった…。