「実はね、黒石君って、舜君だったの!」
「は?」
私の言葉に、何言ってんだこいつって顔をするサキちゃん。
「だからね、舜君の旧姓が黒石で、舜君はあの黒石君だったの!びっくりだよね?」
もう一度詳細にそう言えば、一瞬、サキちゃんが固まる。
数秒してから、バカにしたように笑った。
「んなわけないでしょ?あの黒石がどうなったらあんなスーパーイケメンスタイリッシュボーイになるのよ。顔から身長からスペックの高さから何まで違いすぎるでしょ?同一人物?はぁ?冗談も大概にしなさいっっ!!」
「それよりもあの甘い雰囲気はなに!?なんなの!?」と、怒り狂ったサキちゃんの姿に、私は小さくため息を吐いた。

