生殺しだッ…。
「…ん」
「あ、ありがとうっ…」
これでもかと、強く抱きしめた。
いろんな感情がぐるぐると駆け巡り、つぼみの首筋に顔を埋める。
なんだこれ、無理だろ。
こんな…1週間も耐えられない。
せめて親父とマスミさんがいれば、歯止めも効くし安心なのに。
好きな女に抱きつかれて、平然で入れるほど俺は大人じゃねーよ。
「しゅ、ん君?」
強く、強く抱きしめる。
俺の異変に気付いたのか、つぼみが名前を呼んできた。
わかってる。
付き合ってるだなんて噂されてるけど、俺たちは付き合ってなんていない。
所詮は俺の片思いで、つぼみは俺のこと、新しい家族としか思ってない。