「……和泉…」


「俺は舞桜のことが好き。
…俺、忘れちゃってたけど、それでも舞桜のことをまた好きになってた。
俺は記憶をなくしてたって、何度でも舞桜を好きになる。

……舞桜は、もう俺のことなんか好きじゃなくなった?
今はもう祥也しか好きじゃねーの?」


「私は……今でも和泉が好き。
だけど…今は祥也のことを追いかけたいの。
こんな別れ方嫌だから。」


「……わかった。
でも、俺も行ってもいい?」


「まぁ、いいけど…」


「はい、じゃあ後ろのって。
よかったー、チャリ壊れてなくて。」


「…重いよ?」


「いいから、早く。」


「わかった。」


私は和泉の跨がった自転車の荷台へ座った。


「じゃ、行くからな。」


そういって急発進したから、思わず私は和泉に抱きついてしまった。


「ご、ごめん…」


「いーよ、そのまま抱きしめといて。」


え、このまま!?
それはだいぶ恥ずかしいんだけど…