「香月くん、サプライズがしたかったんだね。
さっきはドライだって言ってごめん。愛されててよかったね〜」
「サプライズじゃないよ。愛されてもいない。
私のこと、好きかどうか分からないって、後夜祭のときにハッキリ言われてるし」
「いやいや、あれは好きってことでしょ。香月くんは、自分の気持ちに気づいてないんだよ。
ほら、宏哉が絡むと、ムキになってたこともあったじゃない」
宏哉が絡むとムキに……。
それは付き合う切っ掛けになった告白イベントのことかと思ったけど、よく考えるとその前にも一度あった。
私が一緒にお昼を食べようと奏を誘って断られたら、宏哉が絡んできて、そうしたら奏はムッとした顔して、急に私とお昼を食べると言いだしたんだ。
梨奈が言うには「あれはヤキモチだったよ」ということだが、どうなんだろう? 自信ないな……。
着替えを終えると、大きめのバッグにドレスをしまい、急いで控え室を出た。
梨奈は『吹奏楽部の先輩と一緒にいるから行っていいよ』と言ってくれて、心置きなく奏の元へ走った。


