大広間の中は、豪華なシャンデリアが至る所にあり、とても明るくて広い。

豪華なドレスを纏った女性や正装姿の男性が沢山いて、ダンスを踊ったり、談笑をしている。

その光景に圧倒され、物怖じしてしまう。

「大丈夫か?ユーリ」

「だ、大丈夫よ」

いけない、気をしっかり持たないと。

場の空気に飲まれてはダメ。冷静に、冷静に。


どうやら私はある国の公爵令嬢でウィルの友人、とここではなっているらしい。

パーティーを待つ間にイザベラから教えてもらった。

まあ、異世界から来ましたと言っても誰も信じてくれないし、そのくらい身分が良くないと出られるものではない、という事なんだろうけど。

そこまでして私をパーティーに参加させなくてもいいのに、と思ってしまう。


「見て、ウィル様にお相手がいるわ」

「珍しい、一体誰?」

「黒髪の美しい女性だね」


私達に気付いた招待客がざわつき始め、そんな言葉が聞こえてくるが、ウィルは気にせずエスコートする。



「ユーリ、王の隣にいるのが私の兄のルードだ。まず挨拶に行こう」

「ええ」


そう言うと一番奥の王達が座る席へと向かった。