「ユーリ」


ウィルの身体が近くなり腕を掴まれ、ぐいっと身体を引き寄せられる。

あっという間に私の身体は、ウィルの腕の中に包まれた。

「ちょ、ちょっ・・!」

突然の事で頭が回らない。

私、ウィルに抱きしめられてる!?


「は、離して、ウィル」

離れようと身体に力を込めるけど、抱きしめる腕が強くて逃げることが出来ない。

どうしよう。

胸の高鳴りが抑えられない。



抱きしめながら、ウィルは私に言葉を落とす。



「もし帰る手段が見つからなかったら、私がユーリを守る。一人で生きていくなんて言わないでくれ」


「え・・・?」



身体から力が抜ける。

回らない頭の中が、一瞬で真っ白になった。


・・・どういうこと?
ウィルが私を守る?

それって・・・。



「もし、帰ることが出来ない時は、その時は私と結婚しよう、ユーリ」