【改訂版】異世界でわたしは恋をする

ここでも王と王妃から質問攻めを受ける。

答えるのに必死で、なかなか食事が摂れずにいた。

スープを一口飲んでは答え、パンをひとかけら食べては答え。

最後は食べるのを諦めて、水ばかり飲んでいたような気がする。



そんな時間を過ごし、ようやく朝食の時間が終わった。

「いやいや、なかなか興味深い話だったな。また聞かせてくれ」

「ええ。面白かったわ。またお話を」

「は、はい。こんなお話でよければ」

王はそう言うと、先に立ち上がって王妃の前に手を差し出して、そして二人仲良く部屋を出ていった。


「ああ、緊張した・・・」

王達がいなくなったとたんに身体から力が抜けてしまい、思わずそう言葉が漏れてしまう。

ずっと緊張したままで食事をしていたからか、やたらと身体が痛い。

肩も腰もバキバキだ。


「なかなか話が途切れなかったな。途中で何回も止めたんだが・・・、申し訳ない。あまり食事が摂れなかっただろう?後で部屋に何か食べる物を持ってこさせよう」

ウィルは申し訳なさそうに話した。

「あ、ありがとうウィル。でもまあ、どのみち緊張して食べれなかっただろうから、大丈夫よ」

食事中、ウィルは王と王妃に対して「食事を先にいたしましょう」と王様達を制してくれようとしてたんだけど、すぐ話が再開してしまって。

その度にウィルはむっとした顔を覗かせていた。


これから毎日質問ぜめな食事になるのかと思うと正直きついけど、仕方ない。

こればっかりは慣れるしかない。

王様と実際話してみて、ウィルの言う通り話しやすい人達ではあったし。過度の緊張さえなくなれば、何とかなるだろう。

とりあえずまず、話の合間に上手く食べられるようにしないと。


「さてユーリ、今から早速城の外に行かないか?ずっと部屋にいたから飽きてしまっただろう?」

「もちろん喜んで!・・・あ、でもウィルお仕事は?」

「心配するな、今日は休みだ。・・・では行こうか」


そしてそのまま私達は城の庭へと向かった。