「おはよう、ユーリ。準備は出来たか?」


着替えを済ませ軽く髪型を直していると、ウィルが扉越しに声をかけた。

その声にイザベラが扉を開け、私は廊下に出る。


着てから分かったんだけど、このドレス、胸元が少し強調された形になっていて、これはこれで少し恥ずかしい。

寄せて上げてしないとない胸が作れない貧相な胸なんだから、出来れば隠したかった。


「お待たせウィル。あのさ、ドレスを選んでくれたのは嬉しいんだけど、今日のドレス、ちょっとこの辺りが恥ずかしいよ。もう少し、胸の辺りが隠れるようなドレスがいいんだけどな。せっかく色は落ち着いていて好みなのに」

と胸の部分を手で隠しながら言う。


「そうか?とても似合っているけどな。胸元が少し出ている方が色気あって魅力的だぞ」

「そんな見せるほどの胸なんてないし、色気なんて全くないんだけど・・・」

「そんなことはない。今のお前は十分に色気が出ているよ」


そう言って微笑むウィルに、ドキッとしてしまう。


まったくもう、その笑みは反則だ。

その顔を見ちゃうと、ドキドキして何も言えなくなっちゃう。



「さあ、行こうか。王達が待っている」

私たちは食堂へと向かった。