「おはようございます!イザベラさん!!ごめんなさい、寝過ごしたみたい!!」

「大丈夫ですよ、珍しいですね。昨日の疲れが響きました?」

「疲れというか・・・スッキリしたみたいで・・・アハハ」


ふふっとイザベラは笑いながら、今日の着替えを渡してくれた。

そのドレスはいつものパステル色のドレスとは違う、落ち着いたブルーのドレス。

その色を見て安心してしまった。


「今日から食堂でのご朝食となりますので、少し着辛いドレスとなりますが、我慢下さいませ」

「今日のドレスは珍しくシックだね。こっちの方が安心するけど」

「昨日のユーリ様のご要望と、皇太子殿下がお年を考えて選びなおしたみたいですわ」


やっぱり。

私が若いと思いこんでて、今まで10代らしいドレスをチョイスしていたのか。

どうりで・・・。


「って、ドレス、ウィルが毎日選んでたの!?」

「ええ。そうですわ。本来は私共がお選びするのですが、皇太子殿下が決めるときかなくて」


ああ、そういうことか。

だからイザベラはあの時、『伝えておく』って言ったのか。


イザベラはウィルに私のドレスの色を変えるように、伝えてくれたのね。

だけどまさか、ウィルが私のためにドレスを選んでくれていたなんて。


「忙しいのに・・・。とても申し訳ない気持ちだわ」

「ユーリ様の事を気にいられたのでしょう。あの方はとても素直でいらっしゃるから、表情は出ずとも、行動ですぐ分かります」

「そ、そんなこと!」


リュリが私を気に入ったって!?

まさかぁ!そんなわけない!

ただ違う世界から来た人間だから、仕方なく世話をしているだけだと思うけど・・・!


「・・・あるわけないよ、イザベラ」

「ふふっ、それはどうでしょうね?・・・さあ、早く着替えましょう。私も手伝いますわ」