【改訂版】異世界でわたしは恋をする

「そうだ、ユーリ、明日からはこの城の敷地内であれば外へ出てもよくなった」

「へ!?」

外出許可が出るとは思ってなくて、ビックリして思わず声を上げてしまった。

口の中に食べていたものが残っていたために、変な言葉になってしまう。


なんて行儀が悪いんだ、私。
気を付けなきゃ!


「ああ、王と王妃にも報告し、さらに魔術士長と調べた結果、ユーリはこの国に危害を及ぼす者ではないと判断された。明日からはこの部屋ではなく、食堂で王達と共に食事を取ることになった」

食べようとしていた手が止まる。


「おう・・さまと食事ですか」

こんな私がこの国の王様と一緒に食事を!?

そんな恐れ多い事出来っこない!!

困惑している私を安心させるように、ウィルが優しく微笑んだ。


「気にすることはない。王も王妃もユーリの話が聞きたいと、大変興味がおありのようだ。そのままで大丈夫だ、悩むな」

「でも・・・」

「そうですわ、ユーリ様。国王様も王妃様も心優しい気さくな方です。ぜひ、ご一緒に」

畳み掛けるようにイザベラも話す。


本当に一緒に食事を共にして大丈夫なんだろうか。

かしこまった席でのマナーなんてよく分からないし、もしかしたら何か失礼をしてしまうかもしれない。

・・・だけど、この状況で断るわけにもいかないし・・・。


「・・・わ、分かりました。では明日から一緒に」


そうはいいつつも、明日からは食事の仕方をおしとやかにしよう、と心に決める。

マナーはよく分からないけど、食べ方を少し気を付ければ何とかなる、・・・はず。