【改訂版】異世界でわたしは恋をする

「でも少しは理解できただろう?」

「ううん、全然。まだ記号にしか見えなくて。繰り返し見て覚えていくしかないのかも」

「皇太子殿下、お食事の用意が出来ました」

「ああ、分かった。さあユーリ、一旦勉強はお休みして夕食としようか」

と、席に座る事を促される。

ウィルは手馴れた手つきで椅子を引いて私を座らせた。

レディーファースト。

紳士だなあ、と感心する。

初めてウィルにやってもらったときは、どうしたらいいかわからなくて座れなかった。

あっちの世界ではやってもらったことなんてないしね。


対面でウィルが座る。

私の目の前には、テーブルからはみ出そうなくらいの豪華な食事が並んでいた。


私たちが座ると、テーブルに置かれた空のグラスにワインような赤いお酒が注がれ、ウィルはそのグラスを手に取る。

「ではいただこうか」

「はい。いただきます」


一口お酒を飲んだ後、魚のムニエルのような料理をいただく。

うん、美味しい。
身がふわっとしていて優しい味付け。

洋食ばかりだけど、口に合う食事で安心した。