【改訂版】異世界でわたしは恋をする


「ごきげんよう、ユーリ。今日は何をして過ごしていたんだい?」


――夕刻。


食事の準備がされている中で、ウィルが部屋を訪れた。

公務終わりで疲れているはずなのに、そんな姿は一切見せずに私に笑顔を向ける。

相変わらず爽やかな笑み。

少し胸が高鳴った。


「ウィル、お疲れ様。今日はイザベラにこの世界の国の文字を教えてもらっていたのよ」


そう言って私は、先程まで文字を書いていたノートをウィルに見せた。


「ほう、中々頑張っているじゃないか。・・・っとこれはちょっと違うぞ」

「え!?ど、どこが!?ああもう、難しいよこの国の文字・・・」


いつ自分の世界に戻れるのかわからないし、部屋から出られる訳でもない。

だから暇つぶしに本でも読めるようにと、文字を習う事にしたのはいいんだけど、まさかこんなに難しいとは思わなかった。


言葉は日本語そのままで通じるのに、文字は全く違う。

変な記号が並んでるみたいでみんな似たようなものに見えてしまって、覚えるのは相当時間がかかりそうだ。