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「どうしたら、よかったんだろ…」
放課後になっても美咲は帰ってこなくて。不安だけただ募る。
でも湖城くんだって今日来てなかったし…大丈夫…だよね……?
あたしが悩んだって、そこは仕方がないんだけど。
「もう帰ろ…」
席を立つと同時に群がってくる男子を振り切って、帰路につく………
はず、だった。
「なんで………」
なんで、ここに。
「…流星くん……」
どうして。なんでここにいるの?
でも、幸い彼はまだあたしに気づいてないし、このまま人に紛れてこっそり帰れば…….…
そう思って、さっと女子生徒の影に隠れて校門をくぐった、その時。
「…桃華?」
「っ!」
呼びかけられた声に恐る恐る振り向くと…
勘違いなんかじゃなくて、バチっと目が合った。
やばやばやば!2度と近づかないって、決めたのに!
慌ててもつれそうな足を動かして逃げる。
「なっ、おい桃華!!」
やめて、
やめて、
呼ばないで。忘れられなくなる。
また好きって気持ちが戻ってきちゃう。
振り払うように、ただ走る。
逃げ足だけは自信あるし、きっと大丈夫…



