目を閉じればすぐに思い出せる、あの充実した高校生活。
喧嘩ばかりで、親とも上手くいかなくて、荒んでいた心を優しく包んでくれたキミが、今、隣にいる。
それも、白いタキシードを着て。
それってどれだけ幸せなことなんだろう。
本当に、あの時、雪弥のことを諦めなくてよかったって、心から思えるんだ。
「美咲ちゃん……凄く、綺麗。」
不意に掛けられた声に振り向く。
「おっ、お義母さん!お義父さんも…!!
ありがとうございます…!」
そこには、雪弥のお父さんとお母さんが優しい笑みを浮かべて佇んでいた。
ーー高2の秋。
流星との倉庫での一件……もっと言うなら、雪弥の『彼女』になったその翌日、雪弥と2人で、雪弥の両親に会いに行ったんだ。
雪弥のお父さんもお母さんも、黒髪で常時敬語な雪弥の変わりように最初は驚いていたけれど、結局雪弥の家も家族の絆を取り戻すことが出来たみたい。
「とっても似合ってる!こんなに綺麗なのに、本当に雪弥なんかでいいのかしら…」
「かっ、母さん!!」
ケラケラと笑うお茶目なお義母さんに翻弄される雪弥に、私もお義父さんも笑みが溢れる。
…よかった。雪弥の家族が、こんなに優しい人達で。
「ほらほら!主役がそんなに遅れる訳にもいかないでしょ?」
早く行きなさい、と促され、私と雪弥は挙式の場へと進む。



