それきり黙ってしまった私の手を、桃華はそっと握る。




「美咲……あたし、もうこれ以上はムリだよ。美咲の辛そうな顔、見てるだけで何もできないなんて嫌。

だから、話してくれないかな?あの日の放課後、何が、あったのか………」



桃華の優しい声に少し、涙腺が緩みつつ、私は声を絞り出す。





「桃華、私…フラれちゃった……っ」



その拍子に、塩っけを含んだ透明な雫が目からポタリと溢れる。




桃華は僅かに目を見開いて、また真剣な表情に戻る。


「そんな、一回フラれたぐらいで……!

「違う…違う!もう、無理なんだよ!


だって雪弥はーーー…………」




私は首を横に振って、雪弥にフラれた時のことを、全部話した。


雪弥が不良だったこと。その影響で、彼女ができても事件に巻き込まれる可能性が高いから、付き合うなんて無理だって言われたこと…。






「ーーーーーーーーーだから、私はもう無理なんだよ…。雪弥の彼女なるなんて、絶対できない







「ムリじゃないっっっ!!!!!」