相方は冷や汗を流していて、スーツの脇下がじっとり濡れているようだ。


 俺の方も額の汗を拭う。


 そうこうしているうちに一つ週が明け、翌週の金曜も伊里町と共にタクシーで街を移動する。


 金子雅夫も工藤隆明も、害者二名は闇に葬られた。


 撲殺という手口で。


 凶器は未発見である。


 何かしら胸騒ぎがする。


 警察に何かがドッと降りかかってきそうな……。


 伊里町が昼前に、


「佐山、飯食っていこう」


 と言って、近くの定食屋の駐車場にタクシーを止め、店へと入っていった。


 追って助手席を出、焼けるアスファルトの上を歩き出す。