派遣社員の秘め事  ~秘めるつもりはないんですが~

「まあ、心配するな」
と渚は蓮の頭を叩いたあとで、

「つまらん告白が終わったのなら、食え。
 仲間さんお勧めの新作スイーツだ」
と蓮を見下ろし、フルーツと生クリームたっぷりの抹茶のババロアを指差す。

「あ、ありがとうございます。
 でもあの、どうも、もうひとつ、告白しなければならないことがあるみたいで」
とごにょごにょと言うと、

「みたいでって、なんでだ?」
と言われる。

「いえ、私としては、特に問題はないと思ってるんですが。
 その、和博さんがおかしなことを言ってくるかもしれないし。

 脇田さんが、それは自分の口から言った方がいいよと言うので」
と言うと、

「また脇田か」
と腕を組み、渋い顔をされる。

「いや、その、たいした話じゃないんですよ。
 前の会社で、課長代理をしていた人の話で……」

「……課長代理?
 幾つだ」

「えーと、三十五くらい?
 もうちょっと若かったかな?

 知りません」

 本当に知らなかったので、そう言うと、

「……イケメンか」
と訊いてくる。